代々木公園にエコとアートが咲いた日――アースデイ東京2025体験レポート

27度の代々木に広がった“想い”のフェス「アースデイ東京2025」

まるで夏の入口のような陽気となった2025年4月19日(土)。最高気温27度の晴天に恵まれた代々木公園には、「アースデイ東京2025」を訪れる多くの人々の笑顔と熱気があふれていました。サステナブルな未来を願う声と、それをかたちにする工夫が重なり合うこのフェスは、まさに“地球を想う日”にふさわしい風景を描いていました。

今回のテーマは「ピースフルチェンジ」。初日のステージでは、広島の被爆体験を語る服部道子さんが登壇。ゆっくりと語られる言葉の一つ一つに、ステージ前の観客たちは真剣なまなざしを向けていました。風にたなびく色とりどりのフラッグと、静かに語られる「平和」の想い。その対比が、この場の持つ意味をより深く感じさせてくれました。

会場を歩けば、そこには地球にやさしい選択肢が溢れていました。タイダイ染めのカラフルな衣類、手仕事のぬくもりが伝わるアクセサリー、オーガニックコットン100%の暮らしの品々。どのブースにも、作り手の想いやメッセージが込められており、来場者が丁寧に商品を手に取る様子が印象的でした。

なかでも目を引いたのは、「MADE IN EARTH」というブランドが展示していた小さな綿の苗。土と太陽と水から生まれる命の営みが、手のひらサイズの鉢にそっと植えられていました。それは、エコやサステナブルという言葉の先にある“感覚”を静かに思い出させてくれる存在でした。

さらに、会場の一角では禅体験のブースも設けられ、多くの来場者が靴を脱ぎ、畳の上に腰を下ろして呼吸を整える姿も見られました。都会の真ん中で、ほんの数分でも「無」になれる時間があるということ。それ自体が、今を生きる私たちに必要なことなのかもしれません。

多様性と調和、そして希望をテーマにした「アースデイ東京2025」。華やかさの裏側には、環境問題や社会課題に向き合う真剣なまなざしがありました。気づきと対話が生まれたこの週末が、誰かの一歩につながっていく。そんな、未来への始まりを感じる一日でした。


開催概要

【イベント名】
アースデイ東京2025

【日時】
2025年4月19日(土)〜20日(日)
10:00〜19:00(20日は18:00終了)

【場所】
東京都渋谷区 代々木公園イベント広場・ケヤキ並木

【入場料】
無料

【内容】
エコ&オーガニックマーケット/アーティストライブ/トークセッション/禅体験/ワークショップなど

【関連サイト】
https://www.earthday-tokyo.org/event/earthday2025